「老人ホームって英語で何と言うの?」と戸惑っていませんか。日本で一般的な「老人ホーム」という言葉ですが、英語では「nursing home」「retirement home」「care home」など複数の表現が存在し、国や地域によってニュアンスや使われ方は大きく異なります。
実際に、アメリカとイギリスでは呼称や意味に違いがあり、文化や制度の背景も大きく影響しています。また、日本人がよく使うカタカナ英語は、現地では誤解を招くことも少なくありません。厚生労働省の報告によると、日本国内の高齢者施設は【8,000カ所以上】(2024年時点)あり、海外からの見学や問い合わせも年々増えていますが、「どう英語で説明すべきか」と悩む方が増えているのが現状です。
「海外のご家族へ説明したい」「正しい言葉選びで信頼を得たい」「費用やサービス内容もきちんと伝えたい」——そうした声に応え、本記事では最新の呼称事情や英語での使い分け、発音・例文までを幅広く解説。専門家による用語整理と公的データをもとに、現場や日常で「使える」ポイントを丁寧に紹介します。
最後まで読むことで、文化の違いによる「誤解」や「失敗」を回避し、自信を持って正しく英語で伝えられる知識とコツが身につきます。今、不安や疑問があるなら、この先を読んでみませんか?
老人ホームを英語でどう表現する?アメリカ・イギリス・日本で異なる呼び方と意味
老人ホームを英語で表現する場合、国や文化、施設種類によって用語やニュアンスに差があります。日本語の「老人ホーム」は直訳できる単語はなく、英語圏では具体的なサービス内容や医療ケアの有無で言葉が変わります。特にアメリカとイギリスでは使われる単語やその指す意味が異なるため、状況に合った正しい英語表現を理解することが重要です。また、日本で一般的な「老人ホーム」の考え方と英語圏の施設の捉え方にもギャップがあるため、英会話や英文での説明時には注意しましょう。
アメリカとイギリスにおける老人ホームの呼称の違いと特徴
アメリカでは主に「nursing home」「assisted living facility」「retirement home」などが使われます。
それぞれの特徴をまとめると、下記のようになります。
| 用語 | 用途・特徴 |
|---|---|
| nursing home | 常時医療・介護スタッフが常駐する施設。要介護度が高い高齢者向け。 |
| assisted living facility | 生活支援はあるが、医療ケアは限定的。自立した高齢者向け。 |
| retirement home | 比較的自立している高齢者向けの集合住宅。 |
| senior housing | 広義で高齢者専用住宅や住居全般。 |
イギリスでは「care home」が最も一般的で、必要に応じて「nursing home」(看護師常駐)「residential home」(生活支援重視)と区別されます。
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アメリカ: nursing home, assisted living, retirement home
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イギリス: care home, nursing home, residential home
このように、英語で老人ホームを表す場合は国ごとの言葉の使い分けにも注意しましょう。
nursing home、retirement home、care home の詳細な定義と違い
主な英語の老人ホーム表現の意味やニュアンスの違いを解説します。
| 英語表現 | 定義・概要 | 主な対象 |
|---|---|---|
| nursing home | 医療・介護が必要な高齢者が長期滞在する施設 | 要介護高齢者、認知症患者 |
| retirement home | 比較的自立した高齢者が共同生活する老人向け集合住宅 | 自立・元気な高齢者 |
| care home | 一般的な高齢者介護施設。英国で広く使用 | 様々な高齢者 |
| assisted living facility | 食事や入浴など日常支援を受けながら生活できる施設 | 軽度~中度介護が必要な高齢者 |
nursing home には医療的ケアが前提として含まれますが、retirement home は生活支援が中心で医療は限定的です。イギリスの care home はこれら双方を含む広範な概念です。会話や英文で使い分ける際には、どの程度のケアやサービスを想定しているか明確にしましょう。
日本人がよく誤解しやすいカタカナ表記と発音のポイント
「ナーシングホーム」「ケアホーム」「リタイアメントホーム」など、カタカナ英語は便利ですが正しい発音や本来の意味を誤解しやすいので注意が必要です。英語圏で「nursing home」と言った場合、日本の「有料老人ホーム」や「特養」と一致しないケースが多く、伝えたい意味と違ったニュアンスで受け取られることもあります。カタカナ表記のまま英語で伝えるのではなく、実際の施設内容やサービスが英語圏のどの施設に最も近いかを確認し、適切な英単語を使いましょう。特に「グループホーム」「介護施設」なども英語では別の表現になるため、下記リストを参考にしてください。
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グループホーム:group home
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介護施設:care facility
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サービス利用者:service user, resident
カタカナ語の落とし穴、正しい発音・読み方の紹介
カタカナ英語で間違ったまま使うと、相手に伝わらないだけでなく誤解を招くことがあります。例えば「ナーシングホーム」は英語の[ˈnɜːrsɪŋ hoʊm]、「ケアホーム」は[ˈkeə hoʊm/ˈkɛə həʊm]、と英語独特のイントネーションやアクセントが必要です。
よくある間違いと正しい読み方:
- 「nursing home」→ナージングホーム(×)/ナーシングホーム(○)
- 「retirement home」→リタイヤメントホーム(×)/リタイアメントホーム(○)
正しい発音を意識して、会話や面接の場では相手に伝わる英語を使いましょう。
IPA発音記号による解説
より正確な発音を把握したい場合、国際音声記号(IPA)で確認しておくと安心です。
| 英語表現 | IPA発音記号 |
|---|---|
| nursing home | /ˈnɜːrsɪŋ hoʊm/ |
| retirement home | /rɪˈtaɪərmənt hoʊm/ |
| care home | /ˈkeə hoʊm/(米)/ˈkɛə həʊm/(英) |
母音やアクセントの位置にも注意し、英語学習や海外での利用時に正確な伝わり方ができるよう心掛けましょう。
老人ホームの主な種類別英語名称解説|介護付き・有料・特別養護・グループホームなど
日本の「老人ホーム」は海外でどのように呼ばれているのかは、施設の形態や提供サービスの違いによって異なります。アメリカやイギリスなど英語圏でも複数の表現があり、用途や施設ごとに使い分けが必要です。下記のテーブルで主な施設種別と英語名称、特徴をまとめました。
| 日本語名 | アメリカ英語 | イギリス英語 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 介護付き有料老人ホーム | Assisted Living Facility | Residential Care Home | 主に生活支援、軽度介護サービス |
| 特別養護老人ホーム | Nursing Home | Nursing Home | 24時間介護・医療的ケアも充実 |
| グループホーム | Group Home | Group Home | 少人数・自立支援型、認知症入居にも対応 |
| 有料老人ホーム | Retirement Home | Retirement Home | 生活支援サービス中心、介護は軽度またはなし |
介護付き有料老人ホームの英語表現と特徴
介護付き有料老人ホームは、日本で近年需要が高まっています。英語では主に「Assisted Living Facility」と呼ばれます。これは日常生活に支援が必要な高齢者が、安全な環境下で食事や掃除、健康管理などのサービスを受けながら暮らす施設です。
アメリカでは「Assisted Living」が一般的ですが、イギリスでは「Residential Care Home」という表現も使われています。どちらも医療的なケアが必要な場合は「Nursing Home」と区別されます。
主な特徴
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入居者の自立支援を重視
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介護度が低~中程度向け
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多様なアクティビティや生活サポートを提供
施設の英語名称を使い分けることで、国際的なコミュニケーションや英語学習時も誤解が生じにくくなります。
特別養護老人ホームの海外対応表現
特別養護老人ホームは、日本の公的介護施設ですが、英語圏では「Nursing Home」という名称が最も一般的です。アメリカでもイギリスでも共通して用いられます。医療面での手厚いサポートや24時間の常駐スタッフが特徴です。
施設で提供される主なサービス
- 24時間介護体制
- 医師や看護師による健康管理
- 認知症や要介護度の高い方にも対応
英語で説明する際は「Nursing Home is a facility that provides around-the-clock care and medical services for elderly people.」などの例文が使えます。日本独自の運営形態は、「municipal nursing home」「public nursing home」などと補足するとより明確です。
介護施設・福祉施設関連の用語整理
「老人施設」や「介護施設」に関連する英語表現は、状況や提供サービスによって選定することが大切です。下記は代表的な用語一覧です。
| 日本語 | 英語表現 | 説明 |
|---|---|---|
| 老人ホーム | Nursing Home/Retirement Home | 高齢者の長期生活施設(医療・介護レベルに応じ使い分け) |
| 高齢者施設 | Senior Housing | 高齢者向け住宅全般 |
| 介護施設 | Care Facility | 介護サービスを提供する施設全般 |
| サービス利用者 | Resident/Service User | 施設の入居者やサービス利用者 |
| 介護士 | Caregiver/Care Worker | 介護の仕事を専門とする人 |
| グループホーム | Group Home | 認知症や少人数制の共同生活型施設 |
英語表現を選ぶ際のポイント
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利用者の介護度、対象年齢、施設の規模やサービス内容によって最適な英語用語を選ぶ
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アメリカ英語とイギリス英語で呼び名が異なる場合があるため、適切な言葉を使い分けることが重要
上記の用語や比較を把握することで、海外での情報発信や資料作成、また英会話や用語学習の場面でも自信を持って対応できます。
老人ホームの英語での表現使い分け方と場面別適切表現
老人ホームは英語圏でも使われるシーンや目的によって表現方法が異なります。nursing homeという言葉が一般的ですが、retirement homeやassisted living facilityなど、アメリカとイギリスで使い分ける必要がある単語も多いです。以下のテーブルは、主な英語表現とそれぞれの場面での意味やニュアンスを分かりやすくまとめています。
| 日本語表現 | アメリカ英語 | イギリス英語 | 概要・ニュアンス |
|---|---|---|---|
| 老人ホーム | nursing home | care home | 高齢者が常時介護や医療を受けられる施設 |
| 有料老人ホーム | retirement home | residential home | 自立度が高く、生活支援中心。介護は限定的 |
| グループホーム | group home | group home | 少人数の共同生活型。認知症高齢者などの利用が多い |
| 介護施設 | care facility | care facility | 介護サービス全般を指す広い意味の用語 |
| サービス利用者 | resident, client | resident, service user | 入居者・利用者を指す表現 |
使い分けのポイント
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medical careやassisted livingなど目的による違いも意識しましょう。
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フランス語では「maison de retraite」が該当し、英会話の際でも知っておくと便利です。
入所・転居を表す自然な英語表現
老人ホームへの入所や転居を英語で表現する場合、move into a nursing homeやenter a care homeがよく使われます。会話や書類上で伝えたい内容や状況に応じて言い回しを変化させることが大切です。
代表的なフレーズ
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She moved into a nursing home last year.(彼女は昨年、老人ホームに入所しました)
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My father recently entered an assisted living facility.(父は最近、介護付き施設に入りました)
自然な英語表現リスト
- move into a nursing home
- be admitted to a care facility
- transfer to a retirement home
- start living in a residential home
カタカナ読み方例
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nursing home(ナーシングホーム)
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retirement home(リタイアメントホーム)
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care home(ケアホーム)
シーンや地域特有の言い回しに気をつけて使いましょう。
介護を受ける説明でのフレーズ例
老人ホームに入居している高齢者が介護を受けている状況を伝えるには、主にreceive careやbe cared forといった表現が適切です。状況に応じた具体的なフレーズを覚えておくことで、英会話やメールでもスムーズにやりとりできます。
よく使われるフレーズの一覧
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He receives nursing care in the facility.(彼はその施設で介護サービスを受けています)
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Residents are well cared for by trained staff.(入居者は訓練を受けたスタッフがしっかり介護しています)
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She is one of the elderly people living in a care home.(彼女はケアホームで暮らすお年寄りの一人です)
関連表現
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resident(入居者)
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service user(利用者)
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caregiver(介護士)
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personal care(身体介護)
介護士を指す場合は“caregiver”や“nurse”が一般的です。
間違いやすい英語表現の具体例
老人ホームに関連する英語表現は、直訳や似た言葉の混同から誤用しやすいです。特に、「old people’s home」や「elderly house」のような表現はネイティブには違和感がある場合があるので注意しましょう。
誤りやすい表現と正しい言い方
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× old people’s house→〇 nursing home / care home
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× aged house→〇 residential home
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× silver home→〇 retirement home
似て非なる表現の比較
| 誤用表現 | 意味・使われやすい誤訳 | 適切な英語表現 |
|---|---|---|
| elderly house | 日本独自表現、英語圏で未使用 | nursing home, care home |
| silver home | 和製英語、誤用 | retirement home |
ポイント
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home for the agedやsenior housingも場合により使いますが、医療・介護度合いにより最適な語を選択してください。
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英語では「老人」という単語を用いる際、“elderly”を形容詞的に使うのが丁寧です。
老人ホーム関連の英語例文・会話フレーズ集|丁寧で実用的な表現満載
施設案内時に使える丁寧な表現
老人ホームや介護施設の案内時に使える実用的な英語表現は、訪問者や入居者に安心してもらうために重要です。nursing home、assisted living facilityはアメリカでよく使われますが、イギリスではcare homeが主流です。下記テーブルで主要な表現をご紹介します。
| 日本語 | アメリカ英語 | イギリス英語 | カタカナ表記 |
|---|---|---|---|
| 老人ホーム | nursing home | care home | ナーシングホーム |
| 有料老人ホーム | assisted living facility | residential home | アシステッドリビング |
| 介護施設 | care facility | care home | ケアファシリティ |
施設見学時に便利な例文
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Please let me show you around our nursing home. (当ホームをご案内いたします。)
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All rooms are equipped with emergency call buttons.(すべての部屋には緊急呼び出しボタンが付いています。)
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We provide 24-hour medical and care support.(24時間体制で介護・医療サポートをご提供します。)
他国の老人施設や介護施設について尋ねられる場面にも備え、「日本の老人ホームは英語でnursing homeと言います」「イギリスではcare homeが一般的です」など、背景を補足できると信頼感が高まります。
ご家族との会話例
家族が入居者を訪問する際や安心して生活状況を質問したいとき、丁寧で親しみのある英語が求められます。下記に、ご家族との会話でよく使われる英語と日本語例をまとめました。
| 会話の内容 | 英語フレーズ |
|---|---|
| ご家族のご要望を聞く | Is there anything your family member needs?(ご家族で必要なものはございますか?) |
| ご健康状態のお伝え | Your mother looks well and happy here.(お母さまは快適に過ごされています。) |
| 面会の約束をする | Would you like to arrange a visit?(面会のご予約をされますか?) |
| 入居後のサービス内容を説明する | We offer personalized care plans for each resident.(個別のケアプランを提供しています。) |
カタカナ英語の「サービス利用者」「利用者 family」なども丁寧に説明し、実際の英語表現(resident, client, service user)が何かを案内できると理解がスムーズです。
緊急時や相談時の英語フレーズ
緊急やトラブル発生時には、即座に伝わるクリアな表現が必要です。利用者本人や介護スタッフに対しても気配りのある言い回しが大切です。
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There has been a medical emergency.(医療上の緊急事態が発生しました。)
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Could you please contact the resident’s family?(ご家族へのご連絡をお願いします。)
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If you have any questions or concerns, please let us know at any time.(ご相談やご不明点はいつでもご連絡ください。)
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We are arranging immediate medical care for your parent.(ご両親のためにただちに医療対応を手配しています。)
現場でよく使われる用語“elderly”、”senior resident”や”介護する”場合の”care for”、“介護士”の”caregiver”など、状況別に適切な英語表現を覚えておくことで、海外の方にも配慮したコミュニケーションが実現します。各国ごとの呼称や用語の違いに強みを持ち、安心感や信頼につなげる表現を心がけることがポイントです。
高齢者・老人・介護施設に関わる英語単語集|意味・使い分けの解説付き
高齢者・老人を表す英単語一覧
高齢者や老人を表現する英単語にはニュアンスや使用される場面に違いがあります。下記のテーブルは、主な英語表現と意味、特徴をまとめています。
| 英単語 | 読み方 | 意味・特徴 |
|---|---|---|
| elderly | エルダーリー | 最も一般的で丁寧な表現。社会的・医療的な文脈で使われる。 |
| senior citizen | シニアシチズン | 公的な文書や制度で使われる敬意を込めた表現。 |
| aged | エイジド | 文章語や形容詞的な用法でやや堅い印象。 |
| old person/people | オールドパーソン/ピープル | 一般的だが、やや直接的で時に配慮が必要。 |
| retiree | リタイリー | 退職者を指す表現、年齢を強調しない。 |
elderlyは日本語の「高齢者」に最も近い単語です。丁寧な場面ではsenior citizen、日常会話やカジュアルな場面ではold peopleやretireeなどが選ばれることもあります。使い分けに注意して、相手や状況に合った表現を心がけましょう。
介護・福祉関連の専門単語解説
介護施設やサービスを英語で表現する際、細かな施設種やサービス内容に応じた単語選びが重要です。各用語の違いを下記のテーブルで分かりやすく紹介します。
| 英単語 | 読み方 | 定義・特徴 |
|---|---|---|
| nursing home | ナーシングホーム | 医療・介護が必要な高齢者向け施設。日本の特養に近い。 |
| retirement home | リタイアメントホーム | 健康な高齢者のための集合住宅。生活支援は最小限。 |
| assisted living facility | アシステッドリビングファシリティ | 身の回りのサポートが必要な方のための住宅型施設。 |
| care home | ケアホーム(主にイギリス) | 介護や支援を提供する施設全般を指す。 |
| senior housing | シニアハウジング | 高齢者専用住宅。バリアフリー設計などが特徴。 |
| group home | グループホーム | 少人数制で家庭的な雰囲気を重視する共同生活施設。 |
アメリカではnursing homeやassisted living facilityが主流ですが、イギリスではcare homeという表現も一般的です。日本の有料老人ホームやグループホームと対応する英語も、文脈に合わせて選ぶのが大切です。求人情報や海外の介護現場でもこうした用語を正しく理解しておきましょう。
性別・属性別の表現差と注意点
高齢者や介護施設利用者を英語で表現する際は、性別や属性によって使う単語やニュアンスが変わる場合があります。特に失礼のない言い回しを心がけるため、以下のポイントが重要です。
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男性高齢者:male elderly person, elderly man など
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女性高齢者:female elderly person, elderly woman など
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利用者全体:residents(入居者)、clients(サービス利用者)
施設やサービス利用者を指す場合はresidentsが一般的ですが、訪問介護やデイサービスではclientsやservice users(イギリス英語)も使われます。また、スラングやカジュアルすぎる表現は避け、elderlyやseniorなど丁寧な言葉を使うことが推奨されます。
性別を強調せず「高齢者」と表現したい場合は、elderly peopleやsenior citizensを用いることで、相手に配慮ある印象を与えます。また、英語表現は国や文化によってニュアンスが異なるため、状況に合わせて適切な単語選択が大切です。
世界の老人ホーム事情を英語で比較|日本・アメリカ・イギリスの介護制度と呼称
各国の制度概要と名称の特色
日本・アメリカ・イギリスでは、高齢者向け介護施設の制度やその呼び方に明確な違いがあります。日本で一般的に「老人ホーム」と呼ばれる施設は、英語ではnursing homeが最も広く使用されています。ただし、アメリカやイギリスでは老人ホームの種類やサービス内容により呼称が異なります。
| 国 | 英語呼称 | カタカナ表記 | 特色 |
|---|---|---|---|
| 日本 | nursing home | ナーシングホーム | 医療・介護重視、介護老人福祉施設を指すことが多い |
| アメリカ | nursing home, assisted living | アシステッドリビング | 医療ケアが必要:nursing home、生活支援型:assisted living |
| イギリス | care home, residential home | ケアホーム | 医療特化型:care home with nursing、軽度:residential home |
nursing homeはアメリカ・イギリス共通の用語ですが、アメリカでは医療的なケアが必要な高齢者用、イギリスではケアの内容や体制で細かく表現が分かれます。
介護費用と補助制度の比較
各国によって介護施設の費用負担や公的補助制度も大きく異なります。
| 国 | 平均月額費用 | 公的補助制度 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 日本 | 約15〜30万円 | 介護保険 | 公的介護保険で費用軽減、所得によって自己負担率が異なる |
| アメリカ | 約35〜100万円 | メディケア、メディケイド | 公的保険は収入や条件で適用が限定的 |
| イギリス | 原則無料または負担あり | NHS, 地方自治体補助 | 所得により自己負担、資産額により助成可否が決定 |
アメリカはassisted living(生活支援型老人ホーム)の費用が高い傾向にあり、公的補助は条件付。一方で日本は介護保険による補助が整備されている点が特徴です。イギリスでは資産や所得による細かな助成制度が組み合わされています。
サービス内容と人員体制の違い
老人ホームの提供するサービスやそこに従事するスタッフ体制にも、各国独自の事情が反映されています。
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日本
- 介護福祉士や看護師、生活相談員が常駐。医療的ケアから日常生活支援、リハビリまで幅広い。
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アメリカ
- nursing home:24時間看護師常駐、医師往診も可能。assisted living:生活支援や日常活動の補助が中心。
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イギリス
- care home with nursing:医療スタッフ中心。residential home:介護スタッフが主、医療行為は限定的。
サービス例:
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食事・入浴・排泄介助
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医療的ケア(服薬管理、健康チェックなど)
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レクリエーションやリハビリ
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生活・金銭管理の援助
人員配置基準やサービスの質は各国で異なり、日本は国家資格者の配置が義務付けられるなど安全面で特徴があります。英語圏の施設でも「elderly care」「senior housing」など多様な表現が用いられ、施設の種類や目的にあわせて最適な呼称を選ぶことが求められています。
英語で老人ホームや介護施設を説明する際に役立つQ&A
アメリカ・イギリスでの老人ホームの呼び方は?
アメリカでは「nursing home」「senior home」「assisted living facility」などが主に使われています。最もよく使用されるのはnursing homeで、医療ケアが必要な高齢者向け施設を指します。一方、イギリスでは「care home」や「residential home」「nursing home」などが一般的です。
下記のテーブルで各国の表現を比較できます。
| 英語表現 | アメリカでの意味 | イギリスでの意味 |
|---|---|---|
| nursing home | 医療・介護型老人ホーム | 医療ケアが手厚い介護施設 |
| assisted living | 自立度が高い高齢者向け住宅 | 利用少・近い意味で使われる |
| retirement home | 日本の高齢者マンションに近い | 高齢者全般向け住宅 |
| care home | 一般的に用いない | 一般的な老人ホーム |
home for the agedやold folks’ homeという表現も複数の国で用いられますが、やや時代を感じさせる言い回しです。
介護施設とグループホームの違いを英語で説明するには?
介護施設は英語で「nursing home」や「care facility」と訳されますが、「group home」は少人数で共同生活を送る介護支援施設を指します。違いを明確に伝えるには、以下のように表現するのが効果的です。
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nursing home/care facility: 医療や24時間体制のケアが提供される大型の老人ホーム
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group home: 小規模で家庭的な雰囲気の中、数人の高齢者や障害者が一緒に暮らし、介護スタッフによるサポートを受ける施設
group homeは「老人だけでなく障害者向けにも使われる用語」です。アメリカ・イギリス両国で使用され、体制や目的に応じた使い分けが必要です。
介護士は英語で何と言うか?
介護士を英語で表現する場合、状況や施設によって呼び方が異なります。主な用語は以下の通りです。
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caregiver: 家庭や施設でケアを行う人全般(家族介護者を含む)
-
nurse: 正看護師。老人ホームでは「registered nurse (RN)」や「licensed practical nurse (LPN)」が勤務
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care worker / care assistant: イギリスで広く使われる、特に介護業務中心の職種
-
nursing aide / certified nursing assistant (CNA): 医療行為を補助するスタッフ
介護士の英語表現を使い分ける際のポイント
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アメリカ型施設では「caregiver」「CNA」
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イギリス型施設では「care assistant」「carer」
入所手続きや費用を英語で説明する際の表現は?
老人ホームの入所手続きや費用の話を英語で説明したいときは、以下の表現が便利です。実際の会話や書類説明にも使えます。
入所に関する英語表現
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Admission procedure(入所手続き)
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Application form(申請書)
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Waiting list(待機リスト)
費用や金額について
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Admission fee(入所費用)
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Monthly payment(毎月の利用料)
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Additional services(追加サービス費用)
英語での簡単な例文
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“Could you explain the admission procedure for this nursing home?”
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“What is the monthly fee for residents?”
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“Is there a waiting list to enter this assisted living facility?”
利用者や家族が必要な情報を丁寧に伝えましょう。
老人ホームでの生活・ケアに関するよくある質問
老人ホームや介護施設での生活やケアに関しては、英語で以下のような質問がよくあります。
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What kind of daily activities are provided?
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Are there staff available 24 hours a day?
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Can residents receive medical care on site?
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Are meals included in the service?
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Can family members visit freely?
生活支援や医療・イベント、面会ルールなど、日本語で説明する内容と同じく、英語でも具体的・丁寧に回答することが重要です。明確に説明できるよう、スタッフやサービス内容、利用者の権利についてもしっかり把握しておきましょう。施設の案内パンフレットやウェブサイトも英語で用意しておくと、海外の家族や見学者にも安心感を与えられます。
老人ホームを英語で表現する際の最新トレンドと注意点|誤用回避と今後の表現動向
よくある誤用例と正しい用語選択
老人ホームを英語にする際、多くの方が「nursing home」と「retirement home」を混同しやすい点に注意が必要です。アメリカではnursing homeが一般的で、医療や介護が必要な高齢者施設を示します。一方、イギリスではcare homeやresidential homeという用語が使われることがあり、介護度やサービス内容に違いがあります。
下記のテーブルで主な英語表現の違いを比較しています。
| 表現 | 主な国 | 意味・特徴 |
|---|---|---|
| nursing home | アメリカ | 介護・医療ケアが中心 |
| care home | イギリス | 生活支援やケア中心 |
| retirement home | アメリカ・他 | 自立した高齢者向け住宅 |
| assisted living | アメリカ | 生活支援と部分的な医療ケア |
old folks’ homeやsenior homeも日常会話で使われますが、ややカジュアルかつ古い印象があるため、正式な場面では推奨されません。日本の「有料老人ホーム」「グループホーム」などを訳す場合は、paid nursing homeやgroup home for the elderlyなど施設特性に合わせた表現を意識すると誤解を防げます。
国際化・多言語化時代の介護表現の変化
近年、世界中で高齢化が進み、介護や福祉施設に関する英語表現も多様化しています。かつてより国による呼称の違いが重視されるようになり、介護施設英語や老人施設英語などの検索も増えています。特に海外の求人や留学、国際協力分野で「介護士英語」「介護利用者英語」の重要性が高まっており、elderly care facilityやlong-term care homeといった用語も一般化しています。
利用者の尊厳を重んじるため、aged personよりもelderly peopleやsenior citizensと表現するのが一般的です。福祉施設や障害者支援施設も、social welfare facilityやdisability support facilityが使われています。カタカナ英語や読み方にも留意し、そのまま「ナーシングホーム」「アシステッドリビング」と表現される場合もあります。
まとめとしてのポイント再提示
老人ホームの英語表現は国や施設形態によって多様化し、正確な用語選択が求められます。下記のポイントを意識して英語を使い分けることで、コミュニケーションの齟齬を防げます。
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正式な英語表現:「nursing home」「care home」「assisted living」
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利用シーンや国による使い分け
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カジュアルな表現は状況に応じて使う
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施設の特徴やサービス内容に合った用語を選ぶ
時代とともに表現も変化しているため、最新の用語や現地文化も把握しておくことが大切です。英語での表現方法を知っていると、海外の施設探しや国際的な会話もスムーズに進められるでしょう。


